22ab9974.jpg 26日に開催された秋葉原におけるタウンマネジメントへの挑戦のシンポジウムに行ってきました。入場者数は271名、その多くが事前申し込みで、事前申し込みの比率は関係者:地域住民・勤労者:その他=2:1:1。写真はシンポジウムに参加されていた夢月まりあさん。
 ディスカッションのパネリストに彼女のような立場の人もいた方がいい。都市論の森川嘉一郎さん、アキバが地盤の区議小林たかやさんのような人たちも。そうするとこのタウンマネジメントもリアルに感じてくる。総裁選やUDX1周年で秋葉原に縁のないおばちゃん呼ぶようなまた秋葉原に来たいと思わせるようなイベントではタウンマネジメントは成立しない。

■未来のアキバを模索する公開シンポ「秋葉原におけるタウンマネジメントへの挑戦」開催される

 26日、秋葉原のダイビルにて公開シンポジウム「秋葉原におけるタウンマネジメントへの挑戦」が開催された。これは民と官が協力して「公益的なまちづくり事業」を行うために2007年度中に「秋葉原タウンマネジメント株式会社」が設立されるのに伴うもの。「公益的なまちづくり」とは主に問題を抱えた衰退著しい地方都市の街づくりのための事業で、都心での取り組みは秋葉原が初となるよう。

 シンポジウムはニ部構成で一部はセーラ・マリ・カミングス氏による基調講演、二部は有識者からなるパネルディスカッションが行われた。

 第一部の講演ではカミングス氏が長野県小布施町で実際に関わってきたタウンマネジメントの経験を地元の印半纏を着てジョークを交えながら語った。その街の持つ文化や伝統を強みに、人と人との交流が大切、生活文化がその街の一番の武器になるなど。

 第二部は千代田区長、秋葉原タウンマネジメント組織設立準備会、富士ソフト、鹿島建設、国土交通省などから有識者6名によるパネルディスカッション。三代目となる地元企業、アキバブランドを利用したいという企業、そして行政・・・さまざまな立場のパネリストが、秋葉原の街について議論を交えた。意見が一致していたのは、秋葉原という街は多様性がありワクワクする街であり、これは秋葉原がほかの街とは違うという点でもあり盛り上げたい、その一方で人と人との交流が重要で地域住民、働く人たちにとっては安心安全な街にしていきたい。どう関わるかはパネリストの立場によって温度差が見られた。

 このシンポジウムには300人近くの聴衆が集まり、立ち見もでるほど。地域の住民、スーツ姿の参加者が多く見られた。

 秋葉原で活躍するアーティスト夢月まりあさんが参加されていたのでコメントをいただきました。
「秋葉原は多様性が許容される街だからアーティストが集まり、ワクワクできる街であることの価値の向上において協力できるのではないかと期待している。タウンマネジメントの人たちにはその活動を知ってもらって、活動できるスペースの提供して欲しい」

 シンポジウムでは、UDX、ドンキホーテ、AKB48(アキハバラ48と呼んでいた)、ロボット、産学協同という単語は出てきたが、同じ最近のアキバの傾向である路上ライブや萌えブームの代表的なメイド産業についてはほとんど触れられなかった。それ以前のPCの街、電気街すら登場せず。タウンマネジメントというのであれば、巨大資本が動く場所だけではなく、実際の街のフィールドにたってマネジメントする姿勢がタウンマネジメントが成功する鍵と思われる。


 さて、まず第一部から。彼女の認識としては秋葉原も地方都市と同じく衰退に苦しむという前提で話しているよう。ちなみに冒頭の挨拶に秋葉原のことをでんでんタウンと呼んだ。一般的な地方におけるタウンマネジメントとしては面白いもの。講演慣れしている感じがして、秋葉原での講演もその一環だと思う。

 第二部。二部の後質疑応答があってしかるべきだったが、その時間はなかったのは、余計な突っ込みを受けたくはなかったことが容易に想像できるもの。「アキバ」のブランドに魅力を感じたから進出したというソフト会社、俺たちの開発は秋葉原を変えたぜ〜(それはいい方向は悪い方向かは不明)というゼネコン。彼らは別に秋葉原である必要はなく、はっきりと金儲けができればいいという考え。わかりやすい。

 大学の先生はシブヤが主なフィールドで秋葉原に関しての言及はできず。国土交通省の役人さんと千代田区長は官がでしゃばるより地元の民で盛り上げるのがいい、かつては市場の街なんだから、というスタンス。結局パネリストの中で考えているのは昔から秋葉原に住んで生活している人、秋葉原の街を愛している人か・・・。今のブームがいつまで続くか不安で、ブームがさると電気街、PCすらもなくなって、秋葉原がゴーストタウンになるのではないか?ブームのせいで安心安全が揺らぎだす・・・。

 人と人との交流が重要と考えるタウンマネジメントを考える上では、マイナスな人たちで彼らに参加してもらうにはある程度権力でつなぎ込む必要がある。そういう意味ではタウンマネジメントの参加に行政があることはよく、そこからマイナス企業を取り込み、啓蒙する必要がある。このモデルは秋葉原にくる観光客に似ている。ひやかしで来た客をどうファンにしていく、そうがんばっているところもある。タウンマネジメントをする会社は見習う必要がある。

 残念なニュースが翌日に入った。UDXの1周年記念では華道家の假屋崎さんと秋川さんのイベントがメインという。タウンマネジメントは地元の文化や伝統を活用していくということ。UDXのイベントはどう?無視する流れではないだろうか?

<参考サイト>
千代田区まちづくり推進部
夢月まりあ公式ブログ